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イラストマップ誕生秘話―市電で巡る、旧き良き熊本。城下町散策町図―

観光マップ、防災マップ、古地図…ひとくちに「地図」といっても様々な種類があり、それぞれ目的と想いを込めて制作されます。
営業が訪問先のフェリー乗り場で思わず手に取ったというこのイラストマップ。
 


 
情緒溢れる手書きのマップと歴史的建造物の情報が詰まった冊子を見ていると、「行ってみたい」気持ちが刺激されます。

そんな素敵なマップを制作された熊本市都市デザイン課様に、イラストマップの制作や活用、また、景観を生かしたまちづくりやその発信についてお話を伺いました。

イラストマップ制作の経緯や目的、想いについてお聞かせください。

熊本駅と中心市街地の中間に位置する城下町地区は、熊本市ならではの景観の1つでもある路面電車でアクセスしやすいエリアです。
「城下町散策図」は「市電で巡る」とタイトルに入れているように、熊本市の歴史的なまちなみを、路面電車のノスタルジックな車窓、そして下車して散策しながらゆったりと楽しんでいただきたいとの想いから制作しました。
 
イラストマップを見てお気づきの方がいらっしゃるかもしれませんが、実はこのイラストマップには歴史的建造物周辺にある飲食店やお買い物ができる場所など、お店の情報が掲載されていません。

これは、いわゆる観光マップではなく、見る人に歴史や文化に注目していただきたいという考えから、職員で町図の在り方を議論した結果、「周辺の観光地情報等を掲載せず、歴史的建造物にフォーカスする」という結論に至りました。
このイラストマップをご覧いただいた方から「見やすい」「分かりやすい」との評価をいただくことがあるのですが、見る視点を絞っていることがその要因ではないかと思います。
 
また、建造物の説明には、現在の活用についてはもちろん、建造物の構造や歴史的背景などを盛り込むことで、観光客だけでなく市民のみなさんにも自分たちの住むまちを新たな視点で楽しめるよう工夫しました。
 

  
歴史的建造物にフォーカスした構成
(マップ全体はこちら ※熊本市HPへ遷移します)

制作陣しか知らないエピソードなどはありますか?

当初マップのイラストはデザイン会社に制作していただく予定だったのですが、絵が上手な職員自らイラストを一部描いてみることとなりました。
手描きの良さといいますか、温かみや親近感を感じるマップになっているのは、やはり熊本市の景観や歴史的まちなみの保全に取り組む、まちを知り尽くした職員が愛着をもって建造物を描いているからかもしれません。
 


建造物のイラストを職員の方が担当

現在どのようにマップをご利用かを教えてください。

観光客向けに熊本駅や阿蘇くまもと空港、熊本城の観光案内所、ホテル等に設置しており、配布数も好調で毎年増版を行っています。

また県外の方から、来熊前の旅行計画を立てるために利用したい (WEBサイトにPDFはあるけれど、紙のマップが欲しいとのことで) とのお問い合わせをいただいたり、県外の市・県事務所では、熊本市の紹介ツールとしても活用いただいたりしています。

ambula mapに関しては、スマホで気軽に、直感的に閲覧できることが大きな魅力の1つだと思います。
紙媒体ですと現地に足を運んで入手したり、ご自身でHPからデータ印刷をする必要がありますが、ambula mapの場合はスマホ1つで来訪前の計画から来訪後の振り返りまで長く活用できるので、その点が非常に便利ですね。

現在HPや各種WEBサイトに掲載・案内をしているので、熊本市に興味をお持ちの方にもご利用いただきたいですし、ambula mapを通じて、他の都市を目的に閲覧した方が熊本市にも興味を持っていただけたら良いなと考えています。

 

今後どのようにイラストマップを活用していきたいとお考えでしょうか?

熊本市の名所として真っ先に思い浮かぶのは熊本城だと思いますが、そのお城を支えていたのは城下町に住む武士や商人、職人であり、城下町には現在も特徴的な区割や歴史的建造物など当時の面影が残っています。
熊本城だけでなく、城下町もあわせて散策いただき、熊本市の歴史と風情を感じていただきたいというのが一番の想いですね。

ですので、お城と駅・街中をどうつなぎ、回遊を促すのか?という仕掛けづくりが必要だと考えています。
今回ambula mapに掲載したことでWEBでのマップ閲覧が可能になりましたので、例えばマップにアクセスする二次元コードを建造物の銘板や案内サインに設置して来訪者の誘導をはかるなど、ambula mapを活用した取り組みもしていく予定です。
 

歴史まちづくりを継続していくにあたり、どのようなアプローチを検討されていますでしょうか?

持続可能な歴史まちづくりのため、歴史的町並みを後世に残していくためには、地区の価値や魅力を多くの方に知っていただくことはもちろん、その地区に住んでいる方や市民が誇りや愛着を持っていただくことが必要だと考えています。
 
マップで紹介している地区には、実は普段生活していると気づかない穴場のような場所が結構あるんですよ。普段駅から歩く道から一本奥に入った路地裏なんかに町屋を活用したカフェなんかがあったり。いつものルートから少し足を延ばすことで、住んでいる方にとっても「こんな空間があったんだ」という体験ができるのではないかと考えています。

都市デザイン課としては、そういった体験を通じて地区の魅力を再発見していただけるように、ベンチなどの休憩スペースの設置や路地裏・民有地を活用したイベントなどを通じて、人の滞在を生み出すような取り組みを企画しています。

また、地域の事業者に対して、まちづくりに興味を持ってもらうための働きかけなども並行して行ったり、町屋のオーナー様との関係構築をして空きスペースの活用をご提案したりなど、新たな人の流入を促すための取り組みも進めています。
 
このような取り組みを通じて、歴史的建造物の保存・活用をより一層活性化させながら、新旧融合した魅力あるまちづくりと並行して、今後もマップを始め、様々な手法で継続的に情報発信を行っていければと思います。
 
 

【 リンク集 】

 
くまもと歴まち360°
いつでもどこでも自由な視点でくまもとの城下町巡りが出来る360°VR動画サイト
https://rekimachi360.com/
 
くまもと歴まち.com
熊本市では、歴史まちづくりを推進しています。
https://rekimachi.com/
 
熊本都市デザイン課公式Instagram
@kumamotocity_urban_design


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楽しみ方は無限大。
さぁ、イラストマップを持ってでかけよう。

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