頻出する貴重な歴史的建造物の秘密
さあ、お腹もいっぱいになったところでスピードアップして歴史的建造物をめぐって行きますよ!
後半戦の最初は登録有形文化財に指定されている「文学部陳列館」。
レンガ造りの2階建て、細部に繊細な装飾の施されたその姿は、例えるなら可憐で芯の強いタカラジェンヌのよう…。一般には非公開ですが、内部には歴史学や考古学をはじめとする、文学部の収集した貴重な資料の一部が収められています。
続いて「旧土木工学教室本館」。
白い花崗岩をアクセントに用いたレンガ造りの建物は、どこか昔の東京駅を彷彿とさせます。ドラマの撮影とかに使えそう…、あの入口からいかにも金持ちそうな洋装の男女が連れ立って降りてきて…と再び妄想のスイッチが入ります。
ラストは「旧建築学教室本館」。
アーチ状の正面玄関や、西洋のお嬢様が顔を覗かせそうな引き上げタイプの窓など、そこかしこにこだわりが感じられます。ここの照明もやっぱりおしゃれ。
ところで、なぜ京大にはこんなにもたくさんの歴史的建造物が残っているのでしょう。不思議に思って播さんに尋ねたところ、次のような答えが返ってきました。
「そもそも大学自体の歴史が古いということと、創立以来移転していないという点が大きいと思います。加えてありがたいことに自然災害や戦争の被害をあまり受けずにきたこと。もちろん、古い建物を大切に使っているというのも理由のひとつです」
明治の世から変わらずここに大学があり続けるというのもすごいことですが、災害の被害が少ないというのもさすが。古都京都のポテンシャルを感じさせる印象的なエピソードでした。
気になるものがありすぎる…
そんなこんなで「ショートスタンダードコース」を早足でめぐってきましたが、もちろん見どころはこれだけではありません。
今日ご紹介した歴史的建造物はいわばスタンプラリーのチェックポイントのようなもの。京大の真骨頂ともいえるおもしろスポットは、実はその道中にこそあるのです。
ぜひ実際に足を運んで、その底なし沼のごとく奥深い魅力に触れてみてください。
再訪をひとり固く誓う
ラストは百周年時計台記念館に戻っておみやげを購入。
購入したのは京都大学の名前が入った「大学ノート」とフィールドワークに最適な「京大野帳」、そして素数にしか目盛りが刻まれていないという変わり種「素数ものさし」。この素数ものさしも「不便益」というちゃんとした研究に基づいて開発された商品だそうです。
本当はさらに個性が強いと噂の北側や南側にも行ってみたかったけれど、到底1日ではまわりきれないのでまたの機会に。何しろ京大は総キャンパス面積が東京ドーム1,082個分もあるのです。
まだ見ぬディープスポットに思いを馳せながら手帳を開き、最後に旅の感想を一筆。
「京大はボッチでも居心地がいい。建物も学生もバラバラだからおもしろい。訪れるたびに新しい発見がある!」
シンプルな感想に着地しましたが、何か大切なことを教えられた気がしました。
- 構内にはベンチがたくさん設置してあるので、天気の良い日はぜひ外でランチしてみてください。正門横のレストラン「カンフォーラ」の前に出ているワゴンのカレーが個人的におすすめです
- 吉田南構内にある「楽友会館」は内装が素敵です。レストランは一般の人も利用可能なので、時間に余裕がある方は訪れてみてください
- トイレは一般の人が入れる施設であれば、基本的にどこでもあります。緊急事態であれば、それ以外の施設も駄目とは言わないので、ご心配なく
- 京大の名物は、何よりも京大生や教員といった、「ひと」。その空気感を肌で感じにきてください!
学生たちの学び舎であることを忘れず、マナーを守って楽しく散策しましょう!