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再生古地図誕生秘話―丸岡城下町再生古地図―

戦国時代に築かれ、現在は北陸地方唯一の現存12天守として国の重要文化財に指定されている丸岡城。
その城下町には今もなお当時の町割りや町名が現存し、いたる所で戦国時代の姿を今に伝えています。
「丸岡城下町再生古地図」では、17世紀中ごろの丸岡藩(本多氏時代)の丸岡城と城下町を描き、当時の様子を伝えています。
この度、この再生古地図制作に携わった福井県坂井市丸岡城国宝化推進室のご担当者にお話をお伺いしました。

 


 

丸岡城下町再生古地図 制作のきっかけを教えてください。

丸岡城については、本丸であった城山に天守のみが残っている状況であり、内堀は市街地となっています。市民や観光客は、天守だけを「丸岡城」と捉えがちであり往時の城郭の姿を想像することは難しいのが現状です。
このような中、だれもが、手軽に、楽しく江戸時代の丸岡城・城下町のスケールを実感できる仕組みが必要であると考えたのがきっかけです。

 

再生古地図制作にあたって、当時の情報はどのようにして収集されたのでしょうか?
また、制作の過程で苦労された部分はございますか?

これまでに収集した絵図や資料などを参考として作成を進めました。作成を進めるにあたり、どの時代の再生を行うべきか、ベースとなる地図はどの資料とするのか等が初めの議論となりました。
作成過程ではフレーム作成から詳細部分への作成が進むにつれて、各部位で調査や議論が繰り返され、この作業プロセスこそが大きな調査研究であると感じました。
完成後も修正を行いましたが、学術的な価値の高い資料ができたと確信しています。
 

完成した再生古地図をご覧になった感想をお聞かせください。

古絵図を現存する遺構などとの整合性を図り現代の測量図に合わせると、往時の城郭の配置や街並みの状況が再現され、これまで古絵図を見て頭の中で理解していた配置などとは異なり、詳細に再現されていることから学術的にも大きな成果でした。
再生古地図を作成したことで、
・全体の配置やスケール感
・往時から変化している場所
・往時から変化していない場所
などの状況が一見して確認でき、新しい発見などもあり、今後の調査につなげていきたいと思います。

 

お城EXPO2023(2023年12月開催)にご出展されたとお伺いしました。
来場者からの反応はいかがでしたか?

再生古地図は、往時のスケールを正確に表現するとともに現代語表記されており、往時の姿を確認できるツールとして、正確でわかりやすいこと、目新しいこと等、ブースへの来訪者の反応から高い関心があったと感じています。
また、EXPO終了後も問い合わせをいただきました。

 
お城EXPO2023での丸岡城ブース
地元の高校生もスタッフとして参加し、ブースを盛り上げる様子も。再生古地図は掲示とWeb画面で紹介されました。

 

web版の再生古地図を片手に、ぜひ訪れてほしいスポットを教えてください。

・内堀内の各地点 / 特に追手門付近は小学校となっており現在との違いが分かりやすいです。
・各通り(谷町、別所町、石城戸、新町)、神明神社北側の外堀など / 往時からの姿を今も残しています。
・南端の福井口門、北端の金津口門など / 城下町のスケールが確認できます。

 

最後に、今後のご活用について展望をお聞かせください。

・市民や観光客にまち歩きで楽しんでいただく
・地域学習や生涯学習のツール
・出版物、街歩き用地図等での活用
・ウォークラリー、イベントでの活用
・地元大学と連携し、情報メディアの発信についてゼミで研究行う
などの活用を検討しています。

 
 
 
丸岡城は日本のさくら名所100選にも選ばれており、満開の桜の中に浮かぶ天守閣は別名「霞ヶ城」とも呼ばれています。
再生古地図を片手に城下町散策はいかがでしょうか?
 


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さぁ、イラストマップを持ってでかけよう。

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