【奈良県天理市・桜井市】
山の辺の道は、三輪から奈良へと通じる上古の道。
大和平野には南北走る上・中・下ツ道の官道があり、それぞれ7世紀の初め頃に造られた。
上ツ道のさらに東にあって、三輪山から北へ連なる山裾を縫うように伸びる起伏の多い道が山の辺の道である。現在、その道をはっきりと跡づけることはできないが、歌垣で有名な海石榴市から三輪、景行、崇神陵を経て、石上から北上する道と考えられている。
その大部分は、東海自然歩道に指定されている。中でも古代の面影をよく残し、万葉びとの息づかいを伝えるのが桜井市金屋から天理市石上神宮までの、約12キロ。
古社寺、古墳、万葉歌碑、多彩な伝承の舞台などが展開し、知らぬ間に歩く者を古代の幻想の世界へと誘ってくれる。